用語いろいろ

英語では「bowling ball」ボウリングの球のことを「ボウル」と表記している場合があるのですが、英語では「Bowling ball」(右の画像は、ロングマン現代英英辞典から引用しました)と表現しますし、「ball=ボール、bowl=ボウル」が慣例なので、「ボール」が適切な表記と言えます。特に、「ボウル[bowl]」の解説に「ボウリングの球」と書いている辞書もありますが、これはローンボウルズ(ローンボウリング)で使うボウル(bowl)の説明をしていると思われます。複数の英英辞典を調べてみましたが、「bowl」では「(ローン)ボウルズで転がす球」とあり、「テンピンボウリングの球」と言及していないのです。あくまで、10本のピンを倒すボウリングで使うのは、「ボウル(bowl)」ではなく「ボール(ball)」なのです。むろん、ルールでは「ボール」表記を使っていますよ。英和辞典」での記述も参考にしてください。それと、「ボール」は「球」の意味ですし、ましてやボウリングは「球技」ですから、「ボウリングの玉」や「玉転がし(←国語辞典には運動会の競技とかビリヤードの別名と書かれている)」という表記では、適切ではないと思われます。「玉」ではなく「球」と書きましょう!UP!

レーンの両側の溝(または、ボールが溝に落ちること)を、ボウリングのルールでは「ガター」と言うのが常識です。英語では「gutter」と書くので、どう考えても「ガー」と伸ばす発音にはなりません。「ガーター」という表現がどうして広まっているのか、不思議でならないです。最近では、ガターをなくすレーンを装備したボウリング場が増えました。これは「ノンガターレーン」とか「ガターレスレーン」などと呼ばれているので「ガーター」とは言いません。収録語数が多い広辞苑などの国語辞典では、ちゃんとガターLOOK!で掲載されていますので確認してみましょう。ちなみに、「ガーター(garter)」と言えば靴下留めの意味です。女性のみなさんなら、よくご存知のはず。それから、ガータ」や「ガッター」の説明が書かれている辞書や事典は存在しませんので、そのような表記は使わないのが賢明ですね。参考までに、「cutter」は「カッター」、「shutter」は「シャッター」と表記しますが、「butter」は「バター」、「putter」は「パター(ゴルフの用語)」と表記します。

サッカーでは選手が反則をすることを「ファウル」、野球では「ファウルボール」や「ファウルチップ」など、「ファール」ではなく「ファウル」を使っています。ちなみに、国語辞典では「ファール」が掲載されているものはほとんどなく、あったとしても「→ファウル」という説明。つまり、「ファウル」と表記するのが一般的です。百科事典ではボウリング用語として「ガター」、「ファウルライン」と記載されていました。日本のボウリングルールブック(NBR)では、競技規定が「ファール」、レーン規定が「ファウル」と定められていて、表記が統一されていないようです。そのため、社団法人 日本ボウリング場協会に問い合わせしたところ、「プロやアマチュアのトーナメントで採用されているボウリングのルールブック上の表記は、『ファール』で統一されています」という回答をいただきました。しかし、最近発売されているボウリング関連の書籍には、「ファウル」と書かれているものが多数あります。